
金利上昇でもマンション価格が下がらない理由と損しない売買タイミング
ニュースで「金利が上がる」という話題を耳にすると、これからマンションの購入や売却を考えている方は不安になってしまいますよね。
「金利が上がれば、マンションの価格は下がるんじゃないの?」
「もう少し待ったほうが、安く買えるのかな?」
そんなふうに迷っている方も多いでしょう。一般的には「金利上昇=不動産価格の下落」と言われますが、実は今の市場では「当面は価格が下がりにくい」という見方が強いんです。
この記事では、金利とマンション価格の本当の関係や、これからの変動局面で損をしないための売買タイミングについて、初心者の方にもわかりやすく解説します。大切な資産に関わることですから、正しい知識を身につけて、納得のいく選択をしましょう。
金利上昇でマンション価格は下がる?結論は「当面は下がりにくい」

金利が上がると、マンション価格はどうなるのでしょうか。まずは結論からお伝えすると、すぐに価格が大きく下がることはなくても、将来的には下落するリスクも指摘されています。
たとえば変動金利が1%程度まで上がると、毎月の返済額が増えてマンションを買いづらくなる人が増えるかもしれません。そうなると、一部のエリアなどでは価格の上昇が止まったり、下がり始めたりすることも十分に考えられるでしょう。
ここでは、金利上昇がマンション価格にどのような影響を与えるのか、その仕組みについて詳しく見ていきましょう。
【結論】価格暴落の可能性は低く、横ばいか上昇の予測
まず結論からお話しすると、今後金利が上昇した場合のマンション価格については、エリアによって動きがはっきりと分かれそうです。都心部など人気が高い場所では上昇や横ばいが続くと見られていますが、一方で郊外や一部のエリアでは価格が下がる「調整局面」に入る可能性があります。全体が一様に暴落するとは限りませんが、地域による差が大きくなるかもしれませんね。
「金利が上がれば買い手が減って、価格も下がるのでは?」と不安に思うのは自然なことですよね。実際に、これまで急激に価格が高騰していた一部の物件やエリアでは、すでに価格調整が見られる事例もあるようです。都心部では依然として需要が強く価格が維持されていますが、場所によっては下落のリスクがあることも頭に入れておきましょう。
- 下落リスクについて: 専門家の間でも意見は分かれており、上昇が続くと見る人もいれば、下落を予測する人もいます。特にこれまで大きく値上がりしていた湾岸エリアや郊外などでは、価格の見直しが進むかもしれません。すべての物件が上がり続けるわけではないので、物件ごとの見極めがとても大切になります。
- 金利上昇の影響: 金利が上昇すると、どうしてもローンの返済負担が増えるため、買い控えが起きるきっかけになります。日銀の政策動向、たとえば2025年以降の金利見通しなどを注視する必要があるでしょう。これが価格の上昇を抑える要因になり、特に郊外などでは市場の動きが落ち着いてくることも十分に考えられます。
- 地域による違い: 都心部では依然として価格が堅調ですが、供給が増えることでバランスが変わる可能性もあります。一方で、郊外では価格が下がり始めているエリアも見られますから、一律に「大丈夫」と決めつけず、個別のエリアごとの状況をしっかり見てみてください。
こうした要因があるため、エリアごとの動きを冷静に見極める姿勢は欠かせません。これからは「なんとなく上がるはず」と期待するのではなく、金利の動向やそれぞれの地域の需給バランスを細かくチェックしながら、賢い選択を心がけましょう。なお、ここでの予測は2025年時点のデータに基づいていますので、検討の際はぜひ最新の市況も確認してみてくださいね。
一般論では「金利上昇=価格下落」と言われる仕組み
もちろん、経済の教科書的な一般論で言えば、「金利が上がると不動産価格は下がる」というのが定説です。これには明確な理由があります。
住宅ローンの金利が上がると、同じ毎月返済額でも借りられる金額(借入可能額)が減ってしまいますよね。
【金利上昇による借入額の変化イメージ】
(毎月返済10万円、35年返済の場合)
| 金利 | 借入可能額 | 影響 |
|---|---|---|
| 0.5% | 約3,850万円 | 基本 |
| 1.5% | 約3,250万円 | 約600万円ダウン |
| 2.5% | 約2,750万円 | 約1,100万円ダウン |
このように、買い手の予算が減れば、売り手は価格を下げざるを得なくなる……というのが、本来の「価格下落の仕組み」です。
それでも価格が下がらないのは「建築費高騰」が続いているから
では、なぜ今回はその「一般論」通りにならないのでしょうか。最大の要因は、「建築費の高騰」が止まらないことにあります。
マンションを建てるための材料費や、工事をする職人さんの人件費が、世界的なインフレや円安の影響で大きく値上がりしています。デベロッパー(売主)としては、原価が上がっている以上、販売価格を下げるわけにはいかないのです。
> ポイント
> 新築マンションの価格が下がらない限り、比較対象となる中古マンションの価格も下がりにくいという連動性があります。
つまり、「金利が上がって売れ行きが悪くなっても、安く作れないから安く売れない」という状態が続いているわけですね。
金利が上がってもマンション価格が維持される3つの理由

「金利が上がるとローンが組みにくくなるから、マンション価格は下がるのかな?」と疑問に思う方も多いかもしれませんね。
一般的に、金利の上昇はマンション価格を下げる大きな要因になりやすいと言われています。金利が上がると、どうしても買い手にとって負担が増えてしまうからなんですね。ここでは、金利上昇によって価格が下落しやすいとされる3つの理由を見てみましょう。
1. ローンの返済額が増えて、買える人が減ってしまうから
2. 買い手が減ることで、売りに出されるマンションが余りやすくなるから
3. 投資用としてのメリットが少なくなってしまうから
これらが、金利上昇によって価格が下落しやすい主な理由です。とはいえ、金利が少し上がったからといって、すぐに価格が大暴落するわけではありません。たとえば0.25%から1%程度の上昇であれば、影響は限定的だという見方もあります。
特に、建築費の高騰や物件不足が続いている都心部などの人気エリアでは、買いたい人が多いため価格が維持されることも珍しくありません。郊外などでは価格が下がりやすい一方で、人気エリアでは影響が少ないなど、場所によって状況は変わります。ぜひ、ご希望のエリアの事情もあわせてチェックしてみてください。
理由1:資材や人件費の上昇で新築価格が下がらない
先ほど少し触れましたが、マンション価格が下がらない最大の理由は「コストプッシュ型」の価格上昇だからです。
具体的には以下のようなコストが上がり続けています。
- 建築資材: コンクリート、鉄骨、木材などの輸入価格高騰
- エネルギー: 運搬や製造にかかる電気・ガス・ガソリン代の上昇
- 人件費: 建設業界の人手不足による賃金アップ
これらは一時的なものではなく、今後も高止まりすると見られています。原価が下がらない以上、完成したマンションの価格を下げることは、事業として非常に難しいのです。
理由2:好立地のマンション供給数が不足している
2つ目の理由は、特に都市部において「マンションを建てられる便利な土地」が圧倒的に不足していることです。
駅近などの好立地はすでに開発され尽くしており、新しい土地が出ることは稀です。限られた土地をホテルやオフィスビルと取り合うことになるため、土地の仕入れ価格(用地取得費)も高騰しています。
- 供給数が少ない(希少価値が高い)
- 立地が良い場所は人気が落ちない
このように供給が絞られているため、多少金利が上がっても、欲しい人がいる限り価格は維持されやすいのです。
理由3:新築につられて中古マンションの価格も上がっている
3つ目は、新築市場と中古市場の連動性です。新築マンションの価格が高くなりすぎると、多くの人はこう考えます。
「新築は高くて手が出ないから、中古マンションを検討しよう」
こうして中古マンションへの需要が高まると、当然ながら中古の価格も引っ張られるように上昇します。
特に、築浅で立地の良い中古マンションは新築に近い人気があるため、価格が崩れにくいのが特徴です。新築価格という「天井」が高い位置にあるため、中古価格もその下で高値を維持している状態なんですね。
これからの金利上昇局面で損をしない売買のタイミング

野村證券などの情報によると、2026年1月の日銀決定会合で政策金利は0.75%に据え置かれました。さらに、これからの動きも気になるところですよね。野村證券では同年6月、NRI(野村総合研究所)では9月以降に次の利上げがあるかもしれないと予測していますが、これらは経済情勢によって変動する可能性があります。
金利とマンション価格の行方が注目される今、私たちはどのように動けばよいのでしょうか。
「もう少し様子を見るべき?」それとも「今すぐ動くべき?」
そんな迷いを抱えている方のために、主要な市場予測を参考にしつつ、損をしないための売買タイミングについて考え方を整理しました。購入を検討されている方は金利タイプの賢い選び方を、売却を検討されている方は価格への影響をふまえて、それぞれの立場でベストな判断をするための参考にしてみてください。
(※将来の予測は状況により変わる可能性がありますので、ご自身の状況に合わせて柔軟に検討しましょう。)
買うなら「金利が上がりきる前」の決断がおすすめな理由
購入を検討しているなら、基本的には「欲しい物件が見つかったら、早めに決断する」のがおすすめです。
理由はシンプルで、「待っていても価格が下がる保証がないのに、金利だけが上がっていくリスク」が高いからです。
- 金利が低い今のうちに: 0.1%でも低い金利でローンを組めれば、総返済額は数十万〜数百万円変わります。
- 住宅ローン控除の活用: 現行の制度が使えるうちに購入することで、税制メリットを確実に受けられます。
「価格が下がるのを待っていたら、金利が上がって結局支払総額が増えてしまった」という事態は避けたいですよね。
売るなら「買い手の住宅ローン審査」が厳しくなる前に
一方で、マンションの売却を考えている方にとっても、今は良いタイミングと言えます。
金利が本格的に上昇すると、買い手の住宅ローン審査が厳しくなり、購入できる人の絶対数が減ってしまう可能性があります。つまり、「高く買ってくれる人が多いうちに売る」のが鉄則です。
- 市場の活気: まだ低金利の恩恵を受けている今は、買い手の購買意欲も高い状態です。
- 競合の動き: 今後、金利上昇を懸念した「売り急ぎ」の物件が増えると、ライバルが増えて売りにくくなるかもしれません。
少しでも高く売りたいなら、市場が冷え込む前に動き出すのが賢明でしょう。
変動金利の行方と無理のない資金計画のポイント
最後に、これからの資金計画についてです。変動金利を選ぶか固定金利を選ぶかは悩みどころですが、どちらを選ぶにしても「余裕を持った計画」が大切です。
変動金利は依然として魅力的ですが、将来的な上昇リスク(5年ルールや125%ルールなど)を理解しておく必要があります。
- バッファを持つ: 金利が1〜2%上がっても返済できる予算で物件を選ぶ
- 繰り上げ返済: 金利が低いうちに貯金をし、将来金利が上がったら繰り上げ返済で元本を減らす
ギリギリの予算でローンを組むのではなく、金利変動に耐えられる余力を残しておくことが、安心への一番の近道です。
まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、気になる「金利とマンション価格」の関係について解説しました。
一般的には「金利が上がれば価格は下がる」と言われますが、現在は「建築費の高騰」や「供給不足」といった要因が強く、当面は価格が下がりにくい状況が続くと予想されます。
- 購入するなら: 金利が上がりきる前に、無理のない範囲で早めの決断を。
- 売却するなら: 買い手がローンを組みやすい今のうちに。
金利の動きは誰にも正確に予測できませんが、市場の仕組みを知っていれば、過度に恐れる必要はありません。大切なのは、外部環境の変化に振り回されすぎず、ご自身のライフプランに合わせて「必要な時に動く」ことです。
この記事が、あなたの住まい探しのヒントになれば嬉しいです。
金利とマンション価格についてよくある質問

ここでは、金利とマンション価格に関して、お客様からよくいただく質問をまとめました。
金利が上がると住宅ローンの返済額はどれくらい増えますか?
借入額や期間によりますが、例えば3000万円を35年返済で借りている場合、金利が0.5%上がると月々の返済額は約7,000円〜8,000円程度増える計算になります。総返済額では数百万円の差になることもあります。
今、マンションを買うのは時期尚早でしょうか?
いいえ、必ずしもそうとは言えません。価格が下がるのを待っている間に金利が上昇してしまえば、結果的に支払総額が増える可能性があります。ライフプランに合う物件があれば、早めに検討することをおすすめします。
これから組むなら変動金利と固定金利、どちらが良いですか?
一概には言えませんが、金利上昇リスクを許容できるなら「変動金利」、将来の安心を優先するなら「固定金利」が基本です。現在は固定金利と変動金利の差が大きいため、あえて変動を選び、差額を貯蓄に回すという考え方もあります。
京都のマンション価格も下がらないのでしょうか?
はい、京都エリアも同様の傾向です。特に京都市中心部は景観条例による高さ制限があり、新しいマンションの供給が非常に限られています。希少性が高いため、価格は維持されるか、エリアによっては上昇傾向が続くと考えられます。
マンション価格が下がり始めるサインはありますか?
「在庫数の増加」が一つのサインです。売りに出されているマンションが増え続け、成約するまでの期間が長くなってくると、価格調整(値下げ)が始まる可能性があります。ポータルサイトなどで物件数の推移を見ておくと良いでしょう。