
中古マンションのリノベーション補助金は活用できる?最新の申請方法や注意点を紹介
中古マンションを購入し、自分好みにリノベーションを考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、工事には多くの費用がかかるため、費用面で悩む方も少なくありません。実は、国や自治体が用意している補助金や支援制度を活用すると、リノベーション費用の負担を大きく軽減できる可能性があります。本記事では、中古マンションのリノベーションで利用できる補助金や減税制度、その活用のポイントをわかりやすくご紹介します。賢く理想の住まいを実現するためのヒントを、一緒に見ていきましょう。
国によるリノベーション補助金の全体像・制度の種類と特徴(中古マンション リノベーション 補助金を検討する方へ)
国が提供する主な補助制度には、大きく二つの制度があります。ひとつは「先進的窓リノベ2025事業」で、もうひとつは「子育てグリーン住宅支援事業」です。それぞれ、断熱改修や省エネ効果のある窓・ドアなどの改修工事が対象になります。さらに、それらと同時に進められてきた制度として、既存住宅への断熱リフォーム支援、次世代省エネ建材実証支援なども国の住宅省エネキャンペーンの一環として検討されています。
| 制度名 | 対象工事の概要 | 補助上限など |
|---|---|---|
| 先進的窓リノベ2025事業 | 既存住宅の窓・ガラス・ドアの断熱改修 | 1戸あたり最大200万円(※制度全体) |
| 子育てグリーン住宅支援事業 | 窓の断熱改修・防音・防犯機能向上など | 工事内容に応じた補助額(例:内窓設置・約1万~1万7千円/箇所) |
| その他省エネ設備(例:断熱改修、次世代建材など) | 住宅全体の断熱や省エネ設備導入 | 制度により上限や内容が異なる |
「先進的窓リノベ2025事業」は、既存住宅に対して、窓やガラス、ドアの断熱改修が対象となり、性能に応じて補助額が設定されています。最大で1戸あたり200万円まで支給の可能性があります(制度全体の上限)。
「子育てグリーン住宅支援事業」では、断熱・防音・防犯など複数の機能を持つ製品を対象に、内窓設置では断熱機能で1万7千円、大での補助、小規模な工事でも1万1千円程度など、工事内容に応じた細かな金額設定があります。
制度の併用については、「先進的窓リノベ2025事業」と「子育てグリーン住宅支援事業」は併用が可能ですが、同一の開口部に対して重複して請求することはできません。同じ窓に複数制度で申請することは控えてください。
申請時期については、いずれの制度も工事着手前に申請予約が必要です。先進的窓リノベ2025事業では、交付申請の予約は工事着手前に行い、遅くとも2025年11月14日まで、交付申請は2025年12月31日までとなっています。子育てグリーン住宅支援事業も同様の期限が設定されています。
自治体独自の補助制度の活用ポイント(中古マンション リノベーション 補助金を検討する方へ)
自治体では、住宅の省エネ・バリアフリー・断熱改修などを目的としたリノベーションに対して、独自の補助制度を設けている場合があります。各自治体が掲げる制度には、対象となる工事の傾向や補助内容に地域性があり、例えば「バリアフリー化」「断熱改修」「再エネ導入」など、住宅の快適性向上や省エネルギー化を重視する工事が多く支援対象になっています。
具体的には以下のような自治体制度が例として挙げられます。
| 自治体 | 対象工事 | 補助内容 |
|---|---|---|
| 神奈川県 | 断熱窓・玄関ドア等による断熱改修 | 工事費の3分の1、上限20万円。着工前に交付決定が必要。 |
| 横浜市 | 断熱性能等級6・再エネ設備を含むフルリノベ | 子育て世帯最大150万円、定住世帯最大120万円。申請は予約・本申請・実績報告が必要、受付は延長中。 |
| 大和市/綾瀬市/座間市 | 断熱・バリアフリー改修、再エネ・省エネ設備導入、子育て世帯向けリフォーム等 | 大和市:工事費の1/3、集合住宅で15万円、バリアフリーは最大20万円。綾瀬市:再エネ設備導入の補助あり。座間市:子育て世帯で工事費の半額、最大30万円。 |
(上記内容は、2025年の最新情報に基づいています)
このように、自治体によって補助額や補助率、対象工事が大きく異なります。また、受付期間や申請方法、申請前の工事着手禁止などの条件も自治体ごとに異なります。そのため、ご自身がお住まいの自治体やリノベーション予定の地域については、必ず自治体のホームページや窓口で最新情報を確認するよう強くおすすめします。
補助金以外の支援制度(減税・ローン金利引き下げ等)
リノベーションの資金負担をさらに軽くするには、補助金以外の支援制度の活用も重要です。住宅ローン控除や借入金に関する税制優遇、低金利住宅ローンへの誘導など、多様な制度が整っています。
まず、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、中古マンション購入後のリフォームでも一定の要件を満たせば利用可能です。自己が所有・居住する住宅にリフォームを行い、一定の工事費を借入れて入居した場合、年末時点のローン残高に応じて所得税から控除されます。本制度には、最大13年の控除が受けられる買取再販住宅と、省エネ基準適合住宅で最大10年の控除を受けられる既存住宅の要件があり、借入限度額も住宅の省エネ性能や種別によって設定されています。例えば、2024〜2025年入居の場合、既存住宅では長期優良住宅などで最大3,000万円まで、その他では2,000万円までが対象です。制度の適用に必要な仕組みも整理しておくと安心です。
以下に制度の概要を表形式でご紹介します:
| 制度名 | 対象条件 | 控除内容 |
|---|---|---|
| 住宅ローン控除(既存住宅) | 省エネ性能などの要件を満たす中古マンション | 年末ローン残高×控除率(最大10年) |
| 住宅ローン控除(買取再販住宅) | 買取再販の中古住宅で一定性能・入居時期要件あり | 最大13年の控除適用 |
| 特定増改築等住宅借入金等特別控除 | 断熱改修などの省エネ増改築を住宅ローンで実施 | 増改築費の一定割合を所得税から控除 |
さらに、住宅ローンとは別に、省エネ改修工事等を住宅ローンで行った場合に利用できる「特定増改築等住宅借入金等特別控除」もあります。この制度では、省エネ改修工事を含む増改築等に関して、一定の要件に該当すれば、ローンの年末残高を基に控除が受けられます。ただし、令和3年12月31日までに居住した場合に限られ、令和4年以降の増改築には適用されなくなっている点にご注意ください。
続いて、”フラットさんじゅうごーリノベ”のような長期固定金利ローンにも、リノベ向けの金利優遇が用意されています。「フラット35リノベ」は、中古住宅購入+一定の性能向上リフォームを行うことで、金利引き下げが受けられる制度です。例えば、Aプランでは当初10年間、Bプランでは当初5~10年間(制度によって異なる)にわたり0.5%程度の金利引き下げがあり、借入額3,000万円、返済期間35年の場合、総返済額がAプランで約140万円、Bプランで約70万円程度軽減できるシミュレーション結果もあります。
また、「子育て支援型」や「地域活性化型」などの別の優遇メニューと組み合わせることで、当初の金利優遇期間を延長したり、引き下げ幅を加算したりできるケースもあります。制度によっては、当初12年間、金利が0.5%引き下げられるような優遇も可能です。
このように、補助金だけでなく減税制度や金利優遇を組み合わせることで、資金負担をより軽減できます。計画段階で専門家と相談しながら、それぞれに対して適用可能な制度を整理することをおすすめします。
申請に向けた準備と注意点(中古マンション リノベーション 補助金を検討する方へ)
補助金を申請する際には、まず「登録された施工事業者による工事」が必要になります。国が実施する補助制度(例:子育てグリーン住宅支援事業や先進的窓リノベ2025事業など)は、補助金の申請を施工業者が行い、依頼者へ交付される形式が一般的ですので、登録がある事業者を選ぶことが必須です 。
加えて、住宅の性能や仕様に関する「ホームインスペクション(住宅診断)」の実施や、工事前後の写真の保存・報告、さらには建材の性能証明書など関連書類が必要になるケースもあります。制度によって要求内容が異なるため、施工業者と補助金申請に必要な書類を事前に確認しておくと安心です 。
スケジュールにも十分ご注意ください。例えば「住宅省エネ2025キャンペーン」は、令和6年(2025年)11月22日以降に着工し、2025年12月31日までに完了した工事が対象となります。また交付申請の受付は令和7年3月下旬から予算に達し次第終了というスケジュールです 。年度ごとに予算が限られ、締め切りが早まる場合もあるため、早めの準備と着工が重要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録施工事業者 | 補助金に対応している登録済の施工業者に依頼 |
| 証明書・写真類の準備 | 工事前後の写真や性能証明書などの提出が必要 |
| 申請スケジュール | 工事着工前の申請および予算終了までの対応が必須 |
さらに大切なのは、信頼できる施工の専門家と補助制度の適用条件をしっかり確認しながら計画を進めることです。補助制度は年によって要件や内容が変わることが多く、対象工事の範囲や補助率・上限額などの違いもあります。施工業者と相談しながら、自分のリノベーションに最適な制度を選び、わからない点は早めに確認することで、補助金を無駄なく活用しやすくなります。
まとめ
中古マンションのリノベーションを検討する際は、国や自治体の補助金や減税制度、さらには金利優遇策などさまざまな支援制度が活用できます。制度ごとに対象となる工事や申請時期、併用可否が異なりますので、事前の情報収集や段取りが重要です。特に補助金は予算枠が決まっているため、早めに準備と行動を心がけましょう。計画と申請準備を着実に進めることで、理想の住まい実現への負担を大きく軽減できます。