
マンション専有部分と共用部分の違い!リフォーム前に知るべき境界線
中古マンションの購入やリノベーションを考えるとき、「どこまで自分好みに変えられるんだろう?」とワクワクしますよね。でも、ちょっと待ってください。マンションには「自分だけのもの(専有部分)」と「みんなのもの(共用部分)」という厳格な区分けがあるんです。
「部屋の中なら全部自由でしょ?」と思いがちですが、実は玄関ドアや窓ガラス、バルコニーなどは、勝手に交換したり色を塗ったりしてはいけない場所だったりします。ここを勘違いしたまま計画を進めると、後から「工事できない!」なんてトラブルになりかねません。
この記事では、マンションの専有部分と共用部分の違いや、リフォーム可能な範囲の境界線をわかりやすく解説します。正しい知識を身につけて、理想の住まいづくりをスムーズに進めましょう。
マンションの「専有部分」と「共用部分」の違いをわかりやすく解説

マンションという一つの建物の中には、所有権が完全に自分にある「専有部分」と、住民みんなで所有・管理する「共用部分」の2つが存在します。
リノベーションを成功させるためには、まずこの2つの違いを正しく理解することがスタートラインです。ざっくり言うと、「コンクリートの箱の内側」か「それ以外か」というイメージを持つとわかりやすいでしょう。それぞれの特徴を見ていきますね。
専有部分:自分のもので自由にリフォームできる範囲
専有部分とは、購入した人が完全に所有権を持ち、独占して使えるスペースのことです。一般的には、住戸の内側にある居住空間そのものを指します。
具体的には、天井、壁、床の内装材や、キッチン、トイレなどの設備機器がこれにあたります。この範囲内であれば、管理規約の範囲内で自由にリフォームやリノベーションを行うことができます。
- 主な専有部分: 壁紙(クロス)、フローリング、間仕切り壁、システムキッチン、ユニットバスなど
自分の城として、インテリアを自由に変えられるのはこの部分なんですね。
共用部分:みんなのもので勝手に変更できない範囲
一方、共用部分とは、専有部分以外のすべての場所を指します。エントランスや廊下、エレベーターなどが代表的ですが、実は「住戸の一部」に見える場所も含まれているので注意が必要です。
これらは区分所有者全員の共有財産となるため、個人の判断で勝手に改造したり撤去したりすることはできません。
- 意外な共用部分: 玄関ドア、窓枠(サッシ)、窓ガラス、バルコニー、パイプスペースなど
「自分の部屋の窓だから変えたい」と思っても、外観に関わる部分はみんなのものというルールがあるのです。
玄関やバルコニーはどっち?場所別の具体的な境界線

「壁紙は専有部分だけど、壁のコンクリートは?」「玄関の鍵は変えていいの?」など、実際の境界線は少し複雑で迷いやすいものです。
ここでは、リフォーム時によく議論になる場所をピックアップして、どこまでが自分の持ち物(専有部分)で、どこからがみんなの持ち物(共用部分)なのか、具体的な境界線を解説します。これを知っておくと、物件選びの視点も変わりますよ。
天井・壁・床(コンクリート躯体の内側)
お部屋を構成する天井・壁・床ですが、ここには明確な境界線があります。それは「コンクリートの表面まで」か「その内側の仕上げ材か」という点です。
- 専有部分: 壁紙、塗装、フローリング、畳、石膏ボード、床下の配管など
- 共用部分: 鉄筋コンクリートの壁、床スラブ、天井スラブ、柱、梁
つまり、表面のクロスを張り替えたり、床を無垢材にするのは自由ですが、コンクリートの壁に穴を開けたり、構造体である梁(はり)を削ったりすることは絶対にできません。躯体(くたい)と呼ばれる建物の骨組みは、マンション全体の強度に関わる大切な共用部分だからです。
玄関ドア・窓サッシ・網戸(外側は共用部分)
玄関ドアや窓サッシは、お部屋と外をつなぐ大切な場所ですが、これらは原則としてマンションの「共用部分」にあたります。マンション全体の見た目を統一したり、防犯・防火性能を守ったりするために、個人での勝手な交換はできないことがほとんどなんですよ。
- 玄関ドア: 外側は共用部分なので勝手に色は塗れませんが、内側の塗装や鍵の交換については専有部分として認められるケースが多いでしょう。
- 窓サッシ・網戸: 基本的には共用部分ですが、入居者が専用で使える「専用使用権」があります。サッシ枠の交換は難しいものの、ガラス割れや網戸の張り替えといった日常的な修繕は、個人負担で行うのが一般的です。ただし、内側に二重窓(インナーサッシ)を取り付けることは専有部分内の工事なので可能ですよ。
もし「断熱性能を上げたいからサッシごと変えたい」という場合は、管理組合での大規模修繕を待つか、きちんと申請をして許可を得たうえで、カバー工法などで対応してみてくださいね。
バルコニー・ベランダ・専用庭(専用使用権のある共用部分)
洗濯物を干したり、ガーデニングを楽しんだりするバルコニーやベランダ。自分だけのスペースのように感じますが、実はこれも「共用部分」です。正確には「専用使用権」が設定された共用部分といいます。
これは、「みんなの持ち物だけど、あなただけが使っていいですよ」という権利です。ただし、バルコニーは火災時などの避難経路としての役割も持っています。
そのため、避難ハッチを塞ぐように荷物を置いたり、すぐに動かせないような大きな物置やサンルームを設置したりすることは禁止されています。あくまで「借りている」という意識で大切に使いましょう。
配管・パイプ類(本管との接続部が境目)
リノベーションで水回りの位置を移動したいとき、重要になるのが配管の扱いです。配管にも専有と共用の境目があります。
- 専有部分: 住戸内の専有スペースを通る枝管(えだかん)
- 共用部分: 上下の階を貫通している本管(竪管/たてかん)
基本的には、本管(共用部分)とつながっている継ぎ目から部屋側が専有部分となります。もし配管が古くなって水漏れした場合、その原因箇所が専有部分の配管なら所有者の責任、共用部分の配管なら管理組合の責任となります。
古いマンションでは、床下のコンクリートに配管が埋め込まれているケースもあり、その場合は交換が難しいこともあるので注意が必要です。
知っておきたいリフォームのルールと修繕責任

専有部分と共用部分の違いがわかってきたところで、実際にリフォームや生活をする上でのルールや責任について見ていきましょう。
「知らなかった」では済まされないこともありますし、逆に知っていることでスムーズに解決できるトラブルもあります。特に、管理組合との関わり方はマンションライフにおいてとても大切です。
共用部分の変更は管理組合の許可が必要なケース
原則として共用部分のリフォームはできませんが、絶対に不可能というわけではありません。例えば、バリアフリー化のために玄関に手すりをつけたい場合や、結露対策でサッシを交換したい場合など、正当な理由があれば管理組合の許可を得て工事できることがあります。
ただし、これには「理事会の承認」や「総会での決議」が必要になることが一般的です。
1. 管理規約を確認する
2. 管理組合(理事会)に申請書を出す
3. 承認を得てから工事を行う
この手順を踏まずに勝手に工事をすると、原状回復(元に戻すこと)を求められることもあるので、必ず事前に相談しましょう。最近では、玄関ドアの交換をマンション全体で一斉に行う事例も増えています。
設備が故障した際の修理費用は誰が払う?
もし設備が故障したり、水漏れが起きたりした場合、修理費用は誰が負担するのでしょうか? これも「そこが専有部分か共用部分か」で判断が分かれます。
- 専有部分のトラブル: 給湯器の故障、キッチンの水栓からの水漏れ、壁紙の剥がれなどは、区分所有者(あなた)の負担で修理します。
- 共用部分のトラブル: 屋上の雨漏り、外壁のひび割れ、共用廊下の照明切れなどは、管理組合が管理費や修繕積立金を使って修理します。
判断が難しいのが「上階からの水漏れ」です。原因が上階の人の専有配管や使用不注意なら個人の賠償責任になりますが、床下の共用配管の老朽化なら管理組合の保険対応になることもあります。トラブル時は早めに管理会社へ連絡することが大切ですね。
まとめ

マンションの「専有部分」と「共用部分」の違いについて解説しました。
リノベーションや購入後の生活を考える上で、以下のポイントを押さえておくと安心です。
- 専有部分(室内): 自由にリフォーム可能。所有権は自分にある。
- 共用部分(躯体・窓・玄関ドアなど): 勝手に変更できない。みんなの財産。
- 専用使用権(バルコニーなど): 自分だけが使えるけれど、使い方のルールがある共用部分。
- 境界線: コンクリートの内側までが専有、外側は共用が基本。
「ここは変えられるのかな?」と迷ったら、自己判断せずに不動産会社の担当者や管理規約を確認するのが一番の近道です。ルールを守りながら、賢く素敵なマンションライフを送ってくださいね。
マンション 共用部分 専有部分についてよくある質問

- 玄関ドアの鍵(シリンダー)だけなら交換してもいいですか?
- 一般的には可能です。防犯性の高い鍵への交換は専有部分の変更とみなされることが多いですが、念のため管理規約を確認し、管理組合へ「鍵変更届」などを提出する必要があるでしょう。オートロックと連動している場合は指定の鍵メーカーへの依頼が必要です。
- 窓ガラスが割れてしまった場合、修理費用は誰持ちですか?
- 窓ガラスは共用部分ですが、居住者の不注意で割った場合は居住者負担(個人負担)となるのが原則です。ただし、熱割れや台風などの不可抗力による破損の場合は、管理組合の負担(修繕積立金や保険)で直せるケースがあります。
- バルコニーにウッドデッキを敷いても大丈夫ですか?
- 多くのマンションで可能です。ただし、すぐに撤去できる「置き敷きタイプ」に限られます。避難ハッチを塞がないこと、手すりの高さを確保すること(転落防止)、排水溝を塞がないことなどのルールを守る必要があります。
- インターホンが壊れたら勝手に交換してもいいですか?
- インターホンは、オートロックや火災報知器と連動している場合、共用設備としての性質が強いため、勝手な交換はできません。管理組合主導で全戸一斉交換となることが多いですが、個別に故障した場合は指定業者による修理が必要になります。
- 専有部分のリフォームなら管理組合への届け出は不要ですか?
- いいえ、専有部分であっても届け出は必要です。工事中の騒音や資材の搬入などで他の住民に影響があるため、ほとんどのマンションで「工事申請書」の提出と承認が義務付けられています。工事の1ヶ月〜2週間前までには申請しましょう。