
リノベーションローンと住宅ローンの違いは?資金計画に役立つ選び方も紹介
理想の住まいを手に入れる手段として、中古住宅や中古マンションのリノベーションに注目が集まっています。しかし、「リノベーションの費用はどのように調達すればいいのか」「住宅ローンとリノベーションローンの違いは何なのか」といった疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。本記事では、リノベーションに利用できるローンの特徴や資金計画のポイントを分かりやすく解説していきます。ご自身に合ったローン選びのヒントを、ぜひ最後までご覧ください。
リノベーション(リフォーム)ローンとは何かとその特徴
リノベーション専用ローン、いわゆる「リフォームローン」とは、部分改修や設備更新などのリフォーム費用を対象とした資金調達手段です。担保の有無によって「無担保型」と「有担保型」に分類されます。無担保型は住宅などを担保にしないため、審査が比較的ゆるやかで、融資手続きも簡便ですが、目安として年利約2%~5%と金利は高めです。一方、有担保型は担保がある分金利が約1%~4%と低めに設定されており、借入可能額も比較的大きくなる傾向があります(無担保型1~5%/有担保型1~4%程度)。
| ローンタイプ | 金利相場(年利) | 特徴 |
|---|---|---|
| 無担保型 | 約2%~5% | 審査が緩やか、担保不要、手続き簡便 |
| 有担保型 | 約1%~4% | 低金利、借入可能額が大きいが担保が必要 |
借入可能額や返済期間は、無担保型の場合で数十万円~1,000万円程度、返済期間は最長で15~25年程度です。一方、有担保型はより柔軟で、高額なリフォームにも対応可能なケースがあります。
審査の手軽さや迅速さもリフォームローンの魅力です。金融機関によって異なりますが、申し込みから借入まで概ね2週間程度で完了する場合もあり、部分的なリノベーションを迅速に進めたい方に向いています。
住宅ローン(リノベーション資金含む)の仕組みと特徴
住宅購入用のローンにリノベーション費用を組み込む「リノベーション一体型ローン」は、中古住宅や中古マンションの購入と同時にリノベーション資金をまとめて借り入れできる仕組みです。物件購入費とリノベ費用を一本化して借りられるため、金利が低く、返済期間が長く設定でき、月々の返済負担を抑えやすい点が大きな特徴です。例えば、金利はおよそ0.5%~1.5%とリフォームローンに比べて低金利で、返済期間は最長35年程度まで利用できることが多いです。これにより、総返済額の大幅な軽減が期待できます。
また、住宅ローンに含まれる団体信用生命保険(団信)への加入や、住宅ローン控除の利用が可能である点も魅力です。団信は、万が一借入者に万一のことが起こった際にローン残債が保障され、残されたご家族の負担を軽減します。さらに、住宅ローン控除は最大10年間(特例で13年)にわたり、ローン残高の1%が所得税から控除される制度で、リノベーション費用も含めて借り入れていれば減税対象となります。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 金利 | およそ0.5%~1.5%の低金利設定 |
| 返済期間 | 最長35年程度と長期返済が可能 |
| 制度的利点 | 団体信用生命保険、住宅ローン控除の適用可 |
さらに、ローンを一本化することで、契約手続きや審査の一括化が可能になり、諸費用(保証料や手数料など)を抑えられる点もメリットです。別々にローンを組む場合には、それぞれに対して保証料や契約手数料が発生しますが、一体型ならそれらを一つにまとめて節約が可能です。
リノベーションローンと住宅ローンの比較ポイント
リノベーションに必要な資金を用意する際、どちらのローンを選ぶかによって費用や手間が大きく異なります。以下の表で、金利・返済期間・借入限度額などの比較ポイントを整理しました。
| 比較項目 | リノベーションローン(無担保型) | 住宅ローン(リノベ一体型/有担保) |
|---|---|---|
| 金利 | 2~5%程度と高め | 0.5~2%程度で低金利 |
| 返済期間 | 10~15年程度と短め | 最長35年程度と長め |
| 借入限度額 | 数百万円〜1,500万円程度 | 数千万円〜1億円以上も可能 |
※上記は一般的な目安です。金融機関や商品によって異なる場合があります。
まず、金利についてですが、リノベーションローンは無担保であるリスクを反映して、年2〜5%と高めに設定されるケースが多いです。一方、住宅ローン(リノベ一体型)は担保ありのため、金利が低く抑えられる傾向があります 。
返済期間も大きな違いがあります。リノベーションローンは短期返済が前提となることが多く、10~15年程度で終了する設定が一般的です 。一方、住宅ローン(リノベ一体型)は、最長35年程度の長期返済が可能で、月々の返済負担を軽減しやすい特徴があります 。
借入限度額にも差があり、リノベーションローンは数百万円〜1,500万円程度に限られることが多いのに対し、住宅ローンの場合は数千万円〜1億円程度、あるいはそれ以上の融資が可能なケースもあります 。
担保の有無、審査の条件や期間についても違いがあります。リノベーションローン(無担保型)は担保不要で審査も比較的緩やか、手続きも簡単で審査期間が短い傾向があります 。一方、住宅ローンは購入物件を担保とし、審査が厳しく時間もかかるケースが多く、仮審査・本審査を経て進む手続きの煩雑さがあります 。
さらに、減税制度や保障面でも差があります。住宅ローンでは、団体信用生命保険への加入が基本となり、万一の場合には家族の負担を軽減できます 。また、住宅ローン控除など税制上の優遇も利用できる場合がある点も大きなメリットです 。一方、リノベーションローンにはこうした制度が適用されない場合が多いため、制度活用を重視する場合には住宅ローンが有利です。
以上の比較を踏まえて、資金計画やリフォームの規模、ご希望の借入手続きの手軽さといった視点から、どちらのローンがよりご自身のニーズに合うかをご判断いただければと思います。
あなたのリノベーション資金計画に合ったローンの選び方
リノベーションの内容や規模によって、適したローンの種類は異なります。以下に、おおまかな目安と注意点をご紹介いたします。
| 目的・規模 | 向いているローン | ポイント |
|---|---|---|
| 部分的・小規模なリノベーション | リノベーションローン(無担保型) | 担保不要で審査が柔軟、手続きが簡便です。ただし金利は2~5%前後、返済期間は10~15年程度と短い点にご留意ください 。 |
| 大規模リノベーションまたは購入を含む計画 | 住宅ローン一体型(購入+リノベ資金を一本化) | 金利は低く設定され、返済期間は最長35年と長期可能です。団体信用生命保険の加入もできるため安心感があります 。ただし、抵当権の設定などにより諸経費が高くなる点や、審査に時間がかかる点もあります 。 |
| 細かく支払額を抑えたい方 | リフォーム一体型住宅ローン | 物件購入費とリノベ費用をまとめて一本化でき、管理がしやすく、返済期間も長めで金利も比較的低いタイプがあります 。 |
いずれのローンを選ぶ場合も、重要なのは「返済計画の無理がないかどうか」という点です。月々の返済額や総返済額をシミュレーションし、ご自身のライフプランに沿うものかどうかを確認なさることが大切です。
特にリノベーションを併せて行う場合、物件購入と工事見積もりの段階からローンを見据えて計画を進めることが重要です。住宅ローン一体型やリフォーム一体型ローンは、事前に見積書や図面が必要になる場合が多く、審査に時間を要することがあります。そのため、スピード感を持って対応できるリノベーション会社との連携も大切です 。
ご自身のご希望されるリノベーションの規模や資金計画をお伺いすれば、どのローンがより適しているか、さらに具体的にご案内できます。まずは、お気軽にご相談ください。
まとめ
リノベーションに関する資金計画やローンの選び方は、初めての方にとって悩みやすいポイントです。本記事では、リノベーション専用のローンと住宅ローンそれぞれの特徴や違い、金利や返済期間、利用のしやすさについて分かりやすくご紹介しました。どちらを利用するかは、リノベーションの規模や資金計画、ご自身の希望によって異なります。大切なのは、ご自身の状況に合ったローンを選び、金利や手続きの負担も含めて無理のない計画を立てることです。不安や疑問がある際は、早めに専門家へご相談いただくことをおすすめします。