中古マンションのリノベーション費用はどれくらい？予算計画の立て方と注意点もご紹介
中古マンションを購入し、自分好みにリノベーションしたいと考えている方は多いのではないでしょうか。しかし、「リノベーションにかかる費用はどれくらい必要なのか」「物件価格とリノベーション費用のバランスはどう考えればよいのか」といった、予算面での不安や疑問を感じる方も少なくありません。この記事では、中古マンションの購入費用に加えた全体予算の立て方から、㎡単価ごとのリノベーション費用の相場、予算を上手に抑えるコツ、計画の進め方までをわかりやすく解説します。あなたの理想の住まい実現に向け、費用面のヒントをしっかり押さえましょう。
中古マンション購入とリノベーションを検討する際の必要な全体予算
中古マンションを購入してリノベーションを実施する場合、物件代のほかに諸費用や税金、そしてリノベーション費用を総合して予算を立てることが重要です。
まず、中古マンション購入時に必要な取得諸費用は、概ね物件価格の6～10％が目安です。たとえば3,000万円の物件であれば180万～300万円ほどとなります。
次に、リノベーション費用は仕様や範囲によって異なりますが、特にフルリノベーションでは、一般的に1平方メートルあたり15万～20万円ほどが相場とされています。たとえば60㎡のリノベーションだと、900万～1,200万円が目安となります。
このように、購入費用とリノベーション費用のバランスを考えることが大切です。シンプルなリノベーションにとどめて購入費用に余裕をもたせるか、設備やデザインを充実させてリノベを重視するか、ご希望のライフスタイルや資金計画に応じて検討するのがおすすめです。
下表は、価格帯別に取得諸費用とリノベーション費用の概算をまとめたものです。
| 項目 | 6,000万円台まで | もっと抑えたい場合 | こだわり重視の場合 |
|---|---|---|---|
| 取得諸費用（6～10％） | 360万～600万円 | 360万円目安 | 600万円余裕 |
| リノベーション費用（㎡単価15万～20万） | 例：60㎡→900万～1,200万円 | 15万×60㎡＝900万円 | 20万×60㎡＝1,200万円 |
| 合計予算目安 | 1,260万～1,800万円 | 1,260万 | 1,800万 |
このように、取得費とリノベ費を合わせた全体予算を把握することで、無理なく計画を進めることができます。
㎡単価・面積別に見るリノベーション費用の相場感
リノベーション費用を把握するうえで、まずは1㎡あたりの単価を理解することが重要です。複数の信頼できる情報に基づくと、フルリノベーションの場合、1㎡あたりの費用はおおむね15万円〜20万円が目安とされています。実際には、使用する設備や素材のグレード、間取り変更の有無などによって変動しますので、この点にもご注意ください。
以下の表は、代表的な面積ごとのリノベーション費用をおおまかにまとめたものです。フルリノベーションを前提に、㎡単価を15万円および20万円として計算しています。
| 専有面積（㎡） | 費用目安（15万円/㎡） | 費用目安（20万円/㎡） |
|---|---|---|
| 40㎡ | 600万円 | 800万円 |
| 60㎡ | 900万円 | 1,200万円 |
| 80㎡ | 1,200万円 | 1,600万円 |
実際の施工例では、たとえば60㎡の全面リノベーションでは工事費900万円〜1,200万円ほどとされる実績もあります。また、80㎡〜100㎡のマンションでは、坪単価50万〜70万円（1坪＝約3.3㎡）として計算すると、工事費用は1,250万円〜2,100万円前後となる例も報告されています。
さらに、部分的なリノベーションと全面（フル）リノベーションでは費用に大きな差が生じます。水まわりのみの更新など部分リノベーションでは数百万円台に収まるケースも少なくありません。一方、フルリノベーションでは、解体工事・配管更新・間取り変更など、工事範囲が広がるため、㎡単価が高くなる傾向にあります。
以上のように、㎡単価を目安に面積別の費用感をイメージしつつ、工事内容に応じた費用差を踏まえて計画を立てることが、予算管理の第一歩となります。
リノベーション費用が変動する主要要因と節約ポイント
中古マンションのリノベーション費用は、間取り変更の有無や設備のグレード、築年数、給排水管更新など、さまざまな要素によって変動します。
| 費用に影響する要因 | 具体的な内容 | 節約ポイント |
|---|---|---|
| 間取り変更の有無 | 大規模な構造変更や配管移動は費用が上がる | 間取りを活かし、部分的な変更にとどめる |
| 設備グレード | システムキッチンや浴室の仕様により価格差が大きい | 標準仕様で抑えつつ、見た目や使いやすさで選択 |
| 築年数・配管状況 | 築年数が古いと給排水管の更新や耐震改修が必要になる | 現状を確認し、必要な部分だけ更新 |
予算オーバーを防ぐためには、工事内容に優先順位をつけることが大切です。まずは安全面や生活に直結する部分を優先し、インテリア性やデザインはコストを抑えられる部分に回すと良いでしょう。また、既存設備を活用することで費用を抑える方法もあります。例えば、まだ使える床や建具を生かし、クリーニングや部分補修で十分な仕上がりを目指すと効果的です。
さらに、国や自治体が実施する補助金制度や住宅ローン控除などの支援制度を活用することで、費用負担を大きく軽減できます。例えば、省エネリフォーム向けの補助金では、断熱改修や高効率給湯器導入で数十万円の支援が受けられる場合があります。バリアフリー改修には、介護保険による支援制度もあり、手すり設置や段差解消で実際の負担額を大幅に下げられるケースもあります。ただし制度によって条件や申請期限が異なりますので、施工前に専門家へご相談のうえ、適用できる制度を確認されることをおすすめします。
予算計画を成功させるための進め方と注意点
予算計画をしっかりと進めるためには、まず物件購入段階から手続きを含む総額を見通すことが大切です。物件価格に加えて、取得諸費用（仲介手数料・登記費用など）は物件価格の約１０％を見込むのが一般的です。さらに、印紙税・登録免許税・司法書士報酬・固定資産税の清算金なども発生します。これらは意外と見落とされやすい費用ですので、早めに参考見積もりを取って確保しておくことが重要です。
リノベーション工事の見積もりを取得する際には、予備費を別途設けることや、条件によって金額が変動する可能性がある点に留意しましょう。たとえば、水回りの位置変更や間取り変更は構造的制限がかかる場合もありますし、建物の管理規約によっては共用部への工事が制限されることもあります。これらに対応するためには、リノベーション会社との見積もりで施工内容や条件を具体的に確認し、追加費用の可能性を明示してもらうことが大切です。
最後に、ご自身の希望に応じて、内装中心か設備更新も含めるかで計画の方向性を明確にしましょう。水回りや断熱・気密工事、間取り変更は住みやすさに直結する優先順位の高い項目ですが、内装の仕上げや設備のグレード調整でコストを抑えることは可能です。予算内で満足度を高めるためには、「重視する部分」と「抑える部分」を表に整理して、計画段階で優先順位を定めておくと安心です。以下のような表形式で検討してみてください。
| 優先項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 水回り・配管更新 | キッチン・浴室・トイレ設備交換や配管改修 | 将来の使いやすさと安心のために確保 |
| 断熱・気密性改善 | 内窓設置や断熱材追加 | 光熱費節約と快適さ向上に効果的 |
| 内装仕上げ・仕立 | 壁紙・床材・建具の選定 | コストを抑えるため、既製品や抑えたグレードも検討 |
まとめ
中古マンションのリノベーションは、購入費用に加えて取得諸費用やリノベーション費用など、多面的な予算計画が必要となります。全体の予算感や面積ごとの費用相場、費用が変動する主な要因を整理しておくことで、理想の住まいづくりへの一歩がより具体的になります。また、優先順位をつけて計画を立てたり、外部制度の活用も視野に入れることで、無理のない進め方が可能です。初めての方でも安心して取り組めるよう、丁寧な情報収集と無理のない計画づくりを心掛けてみてください。
